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タイトルが思い出せない

  • 執筆者の写真: Kai Syoujikimonono
    Kai Syoujikimonono
  • 2023年3月28日
  • 読了時間: 2分

伴戸千雅子


55歳、舞踏家です。

大学入って、なんでか演劇やってみたいなあと思ってしまった。なんでかなあ。

劇団ACTというのがある、どんなところが見てみたいが一人で行く勇気がない。ちょっと本気な感じのところっぽい、私のようなモノが興味本位で見学に行ってよいものか。ウジウジ言うてると友だちがついて行ってあげると言うので、意を決して部室のドアをたたいた。開いたドアの向こうで、男の人が背中


丸めてタバコを吸っていた。部屋の中は、照明機材やらなんやらがグチャと。壁も天井もポスターだらけで、壁になぐり書きされた文字がカクカクしてペンキをしたたらせている。なんか、おお〜と思ってしまった。

新入生歓迎公演は京大西部講堂で上演された。初めての西部講堂。これまた、おお〜。タイトルは忘れたが、不思議な世界にぼぅ〜となった。不条理劇というのでしょう。台詞がカッコよくて、ああ、私もこんな言葉を書いてみたいと思った。初舞台は一年生の秋。「ロッキー」というタイトルだったと思う。西部講堂に立てるものと思ってたのに、KSKホールという街中のホールでちょっとガックリした。しかし、滑舌が悪い上に緊張しすぎて舞い上がり、たった数行の台詞を噛む。全然、おお〜ではない。

初めての台本を上演したのは二年生の新歓公演。当時、ACTでは台本を書いた人が演出をするという習いになっていて、当然のように演出をすることになった。演劇経験が「ロッキー」しかないのに、どうやってやれというのか。他の先輩は引退されたが、一人だけ4回生の女子先輩が出演してくれることになり、「ここはどんな風にやりたい?」「どんなイメージで書いたの?」と親切に聞いてくれたのを覚えてる。そして「ここは笑いをとりにいかないでください」と何度も言うたのに、笑いをとりにいった先輩がいたことも忘れない。演出というのはそんなものなのね。私の想像以上にお客さんが笑っていてびっくりした。なんだかな。



その台本のタイトルが思い出せない。年表を作り始めてずっと考えているけど、思い出せない。




 
 
 

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